EOS Kiss X7のシャッターボタンを分解して修理した話
EOS Kiss X7はかなり売れてるモデルなのに分解手順の記事や動画がなかったので、また何かあったときのための備忘録も兼ねて手順を記録しました
※個人での分解を行うとメーカーの保証が効かなくなります
※本記事は分解を推奨する趣旨ではありません
(ただ、分解中はブログに記事を載せることをまったく考えていなかったため、雑な写真しかないし、枚数も少ないです)
故障(?)状態
故障と言っていいのかわからないが、症状としてはシャッターボタンの動きが非常に悪い
ボタンが中で固着しかけていて、シャッターボタンを押し込むとシャッターは切れるが、そこからなかなか元の状態に戻らない
手を放しても、しばらく半押ししている状態になり、撮影可能状態に戻るのに時間がかかる
原因
なぜこんなことになったのかいうと、一眼にアイスをこぼしたことが原因
シャッターボタンにアイスがダイレクトヒット、内部に浸透したことでシャッターボタンにこびりついている模様
見積りに出すものの…
簡単に見積もりを出してもらうと
「トップカバーの交換になるので少なくとも1.6万はかかり、基盤に腐食があればさらに修理費がかさむ」
とのこと
自力修理に挑む
精密機器なので当然ですが、修理費がかなりかさむので自力で分解修理することに
(もともと中古で買ったので、あまり修理費をかけたくなかった)
というわけで、モデルは違うが以下の動画で入念に下調べ
背面カバーを外すまでは特に問題なく進む
グリップのラバーを外した下にある隠しネジを含め、片っ端から外していけばいいだけ
右下赤丸のフレキが背面カバーに繋がっているため、上に軽く引っ張り取り外す
※赤丸のフレキは上に引っ張ると外れ、青丸のコネクタは根本から引き抜くだけで外れる(ツメとかはなかった)
次は前面カバー
右下青丸のフレキを外し、マイナスドライバーでカバー持ち上げ、三脚用ネジを越すようにスライドすると外れる(動画参照)
文字だと伝わりにくいが、慣れると簡単
最後に上部カバー
上側の赤丸、青丸のフレキ、上部カバーを上からとめてあるネジを2つ外す(動画のようなわかりにくいネジはない)
黄丸の視度調整ネジは別に外さなくても大丈夫かも
外した場合は大小2つのツメが収まるように戻すこと
さらに前面カバーを開けたところに、赤と黄のコネクタのコードがあるので、コネクタを斜め上に引っ張り外す(写真赤丸、黄丸あたり)
狭いところにあるうえ、結構固く外しにくいが、どうもストロボ関係のコードらしいので、ドライバーとかは使わない方がいいかもしれない
※前面カバーを開けたときの写真がなかった
で、ここで問題発生
上部カバーをとめているネジの1つが完全になめてしまった
プランB(Break)発動
当該箇所が狭いのでネジザルウスが使えない
ドライバーが引っかかるような溝を新しくネジ頭に掘ることも難しいので、ネジの頭を飛ばして外すことに(脳筋)
ネジの頭とだいたい同じ太さのドリルをピンバイスにセットし、ゴリゴリとネジ頭を削る
↓イメージ
そして見事プランBが成功し、ネジ頭を破壊、上部をカバーを外せた
ただ、この方法をとると、ネジがとめていたパーツを外すことはできるが、ネジ山が切ってある部分が写真赤丸のように残ってしまう
本当はペンチやネジザウルスを使って取り除いて、新しいネジでとめ直すのが理想だが、ネジがかなり細いため、ペンチではトルクがかけられず、ネジザウルスではそもそも挟めない
この件はひとまず置いておき、先に進むことにする
遂にシャッターボタンの機構がある上部カバーに到達
赤丸のネジを外し、青丸の白いパーツを外す
黒いコードは軽く差し込まれてるだけなので、簡単に外れる
下の写真の青丸の箇所に、1円玉くらいの大きさの丸い透明のパーツが、黄丸の基盤を挟むように取り付けられているので外す
この丸いパーツがモード選択ダイヤルを機能させているので、裏表とツメの大小をよく確認しておくこと
写真赤丸がシャッターボタンの可動部
銀色のCリングを外すとボタンが取り外せるので、患部を清掃してこびりついたアイスを除去
そして、逆の手順で全部戻す
破壊したネジだが、前面、背面カバーが上部カバーをガッチリ固定してくれているのでそのままにした
ストラップを通す金具は上部カバーではなく本体に固定される(例の写真の赤丸下部の2つのネジ穴)ので持ち運びにも問題はなさそう
問題の症状の方は…
清掃のおかげでシャッターボタンが元通り快適に動くように!
分解中は壊れるんじゃないかと本当に気が気じゃなかったが、通電も撮影にも特に問題はない
巷ではCMOSなど心臓部を改造する猛者もいるらしい
カバーの取り外しだけでも骨が折れるのに、本当によくやるなあと思う